出生前診断と中絶について

出生前診断とは、ダウン症や染色体異常の有無を確認し、
妊娠した胎児を中絶するかどうかの判断に用いられる診断です。

具体的には
「母体血清マーカーテスト」
「NIPP検査(新型検査と呼ばれます)」という確率診断や
「羊水検査」という確定診断のいずれか、もしくは複数が行われます。

出生前に行うこれらの検査の総称を、出生前診断と呼びます。


出生前診断それぞれの概要

■母体血清マーカーテスト
母体血清マーカーテストは、妊婦から血液を採取して、
含まれるタンパク質の濃度について調べる検査です。

胎児が正常な場合と、そうでない場合の濃度を比較することで
胎児に染色体や先天的異常が無いか、可能性を判断します。
あくまでも確率判定をするだけで、確定診断にはなりません。

診断費用は約1?2万、判定までにかかる期間は10日間です。

調査する4つの成分が、それぞれマーカーに対応しており
胎児のタンパク質、胎盤で作られるホルモン、
エストロゲン、胎盤や卵巣で作られるタンパク質の
濃度を調べることができます。


■NIPP検査
NIPP検査は、Non-negative Prenatal Genetic Testingの略で、
2012年にアメリカの検査会社が開発した、妊婦の血液を
少量採取してそれを調べることで、ダウン症等の有無を判定する検査です。

日本国内でも、既に数十カ所の医療機関でこの検査を
導入・運用し始めており、新型出生前検査とも呼ばれています。


「ダウン症の有無を99%の確率で判定できる」と
一部の報道では謳われていますが、統計となるデータは、
染色体異常の可能性が元々ある人達を対象に行っていました。

なので、一般的な妊婦を母集団として
同じ検査を行った場合は、判定率は50%近くまで下がります。
「異常の有無を50%-99%の間で判定できる」というのが正確です。


ですが、仮に50%の確率で有無を判定出来たとしても
母体血清マーカーテストと比較すると確率は挙がっている為、
「新型」の名にふさわしいと言える検査ではあります。

その一方で、あくまでも確率を判定できるという点は
マーカーテストと同様であり、確定的な判定を得るためには
羊水検査をしなければならない、という点は変わりません。


■羊水検査
羊水検査は、妊婦の子宮に長い注射針のような針を刺して、
子宮内の羊水と呼ばれる液体を採取し、そこに含まれる
細胞を検査して、胎児の状態を調べる検査です。

受けられるタイミングが妊娠から約15週目以降になり、
検査結果を知るまでに2週間かかることからも、
中絶をするか判断する場合、早めの診断が望ましいです。


手術自体は15分ほどで終わりますが、
破水などのリスクがあり、200?300人に1人の確率で
流産や死産になる可能性があります。

また、費用は10万?15万と、
保険が適用されない検査のため、やや高額になります。


確定診断としては、羊水検査以外にも
胎盤から絨毛と呼ばれる突起を回収し、
染色体や遺伝子を診断する絨毛検査という確率診断があります。


これらの出生前診断については、
医師の方から積極的に説明があったり、
診断をするよう勧められるとは限りません。

理由は、出生前診断という行為自体が
産まれてくる子供を選別するという側面もある為、
医師や病院側が気軽に勧められるものでは無いからです。


誤解しないでほしいのは、それは決して診断自体が
あってはならないという訳では無いということです。

特に、死に致る可能性がある遺伝子疾患に関しては、
羊水検査でないと判定ができません。

診断を希望する場合や、不明な点をクリアにしたい場合は
担当医の方に、自分から働き掛けるようにしてください。

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